第1回モンゴル算盤オリンピアード開催
2009年5月9日、モンゴル国ウランバートル市にありますモンゴル日本センターにおいて、第1回目となる珠算競技会、「モンゴル算盤オリンピアード」が開催されます。今回の大会開催に当たって、弊社も算盤を88丁提供し、協力させて頂きました。
きっかけは今年2月末、国内外で広くボランティア活動をしておられる江守和一氏(兵庫県宝塚市在住)から届いた1通のメールから始まりました。
モンゴルでそろばん競技会が開催されると聞き、初めは驚きました。同じアジアの国ではあるけれど、これまで算盤が使われているという話を聞いた事が無かったからです。しかし、江守氏とメールでのやり取りが進む内に、彼の地でいかに算盤が必要とされているかがわかってきました。モンゴル文化教育大学で教鞭をとられる山田康夫先生がボランティアとして現地の子供たちに算盤を教えているという事。そして何より、子供たちが帰宅後も算盤の練習をしたがっているということ。モンツァメ国営通信社発行の2008年11月6日付のモンゴル通信には「モンゴル初のそろばん教室」として、算盤を教えておられる山田先生と熱心に算盤を弾く子供たちの写真が紹介されていました。
モンゴルと言えば、広大な大地に広がる青々とした草原をイメージしますが、まさにその草原のごとき草の根活動が競技会として一つの形になる。そうした瞬間に立ち会わさせて頂いている。そのような心持ちで今回の協力要請を受けさせて頂きました。大会の成功を心より祈念致します。
それにしても、縁とは奇なものです。奥出雲の地で算盤を作り続けながら、まさかモンゴルへそろばんを送ることになろうとは夢にも思っていませんでした。モンゴルのウランバートル、宝塚、そして亀嵩。点と点が線で結ばれ、1つの大きな輪となり、モンゴル初のそろばん競技会開催に向けて互いに手を取り合いながら走り抜けた。算盤が弊社の手を離れた今、そのような感慨を覚えます。まさに「三都物語」とも言える今回のコラボレーション。海を渡った算盤たちがどんな音を立てて弾かれているのか、ちょっと聞き耳を立ててみたいものです。